TDR250にアクセサリー電源からUSB電源を取る機会があったので、真面目にアクセサリー電源を取ってみた。
巷にはエレクトロタップという純正ハーネスと破壊してお手軽に信号や電源を取れるアフターパーツが販売されているが、これを使う場所は慎重に選ばなければならない。
というのも、まず純正ハーネスを破壊してしまう非可逆的行為であることから旧車乗りから”電脳タニシ”と呼ばれ忌み嫌われている
さらに基本的に挟むだけで使えるようになっているため、きちんとカシメることはできない。またその構造上、経年で接触不良になる可能性もある。
まあディーラー施工でナビを取り付けたりしてもこれを使うから大丈夫だろ！と言い張る香具師が居るが、そういう人は数年で車を乗り換えたりそういうコトに無頓着な人だから別に良い。というか人の車がどうなろうが知ったことじゃない。
でもこういう構造上あまり電流を流す用途には向いていないことは確かで
主な用途としては弱電取り出し…車速パルスやバック信号の分岐ではないだろうか。
あと旧車にこういうものを使うのは多方面から怒られが発生する。
かといって純正配線を切った張ったして配線を取り出すのも、産業遺産保存の観点からあまり良くはない。ほなどないせえっちゅうねん、というのが今回の話。まあ、TDR250は別に旧車でもなんでも無いんですけどね～
では手っ取り早くメインキー配線から電源を取り出すことにしましょう。なお、今回の整備はあくまで自己流の丁寧な取り出し方なのであしからず。
整備性がカスなのでガソリンタンクを外せと書いてありますが、絶対に嫌なのでカウルを一枚毟ってハーネスを引っ張ってみます。
案外なんとかなったので、このコネクタを使っていいかんじの電源取り出しハーネスを作成します。カブとかカプラーオンで電源取り出せるやつ売ってますよね。アレを作るんです
適当に3ピンの中継カプラーを用意して、途中から分岐させるんですが……ここで雑に施工するならハンダとかで適当に中間から配線を取るんですが、ハンダはハンダで合金化したところと銅の部分との境界で破断しやすくなるので、できればやりたくありません。まあ、クルマのハーネスでそれをしたからといってべつに今すぐにどうにかなってしまうわけでも無いんですが、精神衛生上よくないということ、またそういった性質からハーネスに継続的な負荷がかかるところの使用に適さないので、できればカシメ＝機械的な接続で分岐させたい。配線捩ってほったらかすのは論外なので、純正ハーネスなどにも採用されるスプライス端子を使います。
要はコネクタの配線カシメてあるところだけになってるやつ。ない場合は適当なギボシの端子部分ぶった切って使っても代用にはなる。
こんな感じに配線を途中で剥いて、ここを別の配線と一緒にカシメます。今回は場所も場所なのでワイヤーストリッパで剥きましたが、ない場合は電工ナイフとかカッターで芯線を切らないように注意しながらやりましょう。
そしてカシメる。ちょっとしくじってるけど…
このあと熱収縮チューブをかぶせて、コネクタを挿して電源取り出し用ギボシを取り付けて完成
純正配線に割り込ませる都合上、やはりハーネスはできるだけ短いほうが良いと思います。あえて長くしていいかんじのところに配線をまとめておく、という作戦も良いと思いますがそのへんはお好みで。ちなみに黄色がACC電源なのですが、ギボシは必ずメスでないといけません。オス側だとフレームに接触して短絡の危険があります。GND側はべつにメスでも良いですが、ポカヨケのためにコネクタを分けてあります。
ともかく、この方法ならハーネスは破壊せずに済むしいつでも純正戻しできるしトラブルも少ない、ちょっと手間はかかるけどいいことしか無い。でもべつにこれをしなかったからといって問題になるのは何十年も先の話という、実に自己満足的な作業ですが私の密かなこだわりです。
ちなみに、ここまで作っておいて作業中にUSBのユニットを発掘できなかったので、ハーネスを取り付けるだけで作業を中断しましたとさ…