TDR250のベストなギア比とはなにか

この度エンジンをOHして、繋ぎで搭載していた燃費がリッター10キロのカスエンジンことR1-Zエンジン(3XC)を下ろすことになりましたので、ギア比の計算と比較検討をしてみようと思います。

R1-Z(3XC)の燃費があまりにも悪いという話はご存知でしょうか。

TZR250(1KT)やTDR250(2YK)の燃費報告を見てみると…2次減速比の差こそあれリッター15~20をマークしている個体が多く見受けられますが、3XCの場合はリッター9~11…お前バカかといった燃費になっております。

これは3XCは点火(CDI)・キャブ・ギア比の全てにおいてデチューンされており、1KTと2YKを足して3で割ったような性能をしております。ことキャブしぼった口径とデチューンCDIは悪い方向には働きにくいのですが、ギア比が致命的です。

特にファイナルのギア比がかなりショートなため、巡航回転数が高くなりがちなためにカス燃費になっていると考えております。

実際、TDR250のエンジンから載せ替えたところ、シンプルにエンジンのみの載せ替えなのでキャブとCDIはそのままなので実質フルパワー仕様なのにも関わらず、燃費はTDR純正エンジンのリッター15から、フルパワー使用3XCエンジンでリッター10になりました。ゴミが代。

TDR250において、この燃費低下はかなり致命的で…

14Lタンクの内まともに使えるのは(加速でガソリンが偏り薄くなり危険なため)12L、リザーブに至っては10L消費で入れなければならず、バカでも計算できるリッター10キロで12Lしか使えないとなると航続距離は120km。あほくさ。捨てたらこのエンジン
そもそもTDR250にR1Z系のエンジンのマウントするにあたり色々なホースのステーを移植する必要があるのはもろちんぽのこと、クランクケースを締結している、それもクランクシャフトの真横で上下にベアリングを締結しているボルトを1本緩めてエンジンマウントブラケットを移植しなければエンジンを流用できません。

そこまでして得られる燃費、リッター10km。航続距離120km~MAX135km。

なんべんでも言うたるわ。あほくさ。捨てたらこのエンジン?

世の中の3XC海苔が顔面真っ赤にしてゆでダコになってしまってはいけないので、彼らの名誉のために良いところも伝えておきます。このエンジンは1速が極端にショートなTDRと比べてローギア側では比較的ロングな設定のため、発進で忙しいTDRと比較して非常にギアのつながりがスムーズで扱いやすく、ファイナルギアだけ1KTのものと入れ替えればおそらくあとは2次減速比の調整で燃費問題その他最高速の問題なども解決すると思われます。まあ私は3XCのギアはゴミ箱にポイして1KTのミッションに入れ替えるのが一番いいと思いますけどね。

私はあまりの燃費の悪さと航続距離の悪さに嫌気が差し、少し予定を早めてTDR250本来のエンジン性能を取り戻すべく元のエンジンをOHしました。

腰上の発注先はサオテクニカルサービス。シリンダーは0.5O/S、クランクシャフトはOH時にジェネレータ側にピン打ち込みを実施してもらいました。オイルポンプは2つともOH済みで、クラッチは段付きが怪しかったけど使いまわしました。まあ使えてたので問題は起きないと思います。

とにかく。腰下に関しては…絶版のクラッチボスの根っこのベアリング以外はフル交換で万全の状態にしてあります。あそこのベアリングが逝ったときがこのエンジンの寿命です。マジで逝ったら適当な内輪のみ特殊熱処理したベアリングを内燃機屋に郵送して溝掘りとピン打ち加工してもらわないといけませんよ…

これであと10年は余裕で、20年はTDR250に乗れると思いますが…ここでようやく本題のギア比の検討をしてみようと思います。これで燃費伸びなきゃ私の乗り方の問題になります。今すぐ珍加速をやめろ。

いきなりですがエクセルの計算シートを貼り付けます。

タイヤは全車種で履けることを考えTT900GPのカタログ値タイヤ外周で速度を計算。

各ギアの各回転数での速度の概算値を、1KT、2YK、3XC純正での値と私の3XCエンジンTDR250現在仕様のもの、そして検討中の仕様のギア比とで記載してみました。現在仕様は計算値とメーター読み合ってるんでだいたい合ってると思います←ェ
検討仕様シリーズは、現在仕様の3XCエンジンから2YKのエンジンに載せ替えることは前提として…
検討仕様1 はリアスプロケットを純正にしてフロントを1段ロングに
検討仕様2 はフロントスプロケットを1段ロングに
検討仕様3 はエンジン載せ替えただけ
という仕様になっています。

表からわかることは

・検討仕様3のTZR250のギア比仕様からFを一段上げるだけで最高速が200超えそう(仕様2)
・検討仕様2 なら下道でバイパス流す程度ならYPVSの閉じきったまま巡航可能
・検討仕様1は当然、検討仕様2でも相当ロングに振っているのに1速では現在仕様よりショート
・140巡航したいなら仕様2(クローズドコースだよ!!)
・120巡航なら検討仕様3でも十分。

個人的には今の1速のフィーリングはかなり良くて、雑に加速してもフロントが浮かない程度いロングなので半クラフル加速のローンチコントロールでもしない限りフロントは浮きません。でもTDRエンジンで検討仕様2ならアクセルとボディアクションのみでフロントアップが狙えそうなのでかなり良さそうです。1速のフィーリングはちょっとショートで良い感じ、その上ロングなので巡航と最高速が狙える仕様なので、とりあえず慣らし運転では仕様3で走りますが…慣らし&不具合出しが終われば仕様2として、前後タイヤもミシュランロードクラシックあたりにして、チェーンも新品にすればかなり良いマシンになるのではないでしょうか。

まあ、ちゃんとエンジンかかって壊れないことが前提ですけどネ

20240620追記

結局、しばらく検討仕様③で運用していましたが、純正ギア比に戻しました。

純正ギア比のいいところは、あまりにもショートなので6速で適当にアクセルひねってもグイグイ加速するところです。これがへたに二次減速比をロングにしていると、きちんと5速で引っ張らないと6速が伸びなくなります。なった。

しかしながら、その代償として高速巡行がかなり厳しい。実際のメータースケールは上表の110%程度とはいえ、120巡行で8000手前まで回っているというのは精神衛生上よくない。まあ特に壊れる気配があるわけではないとはいえ…当然燃費も悪化するわけで

幸いにも、スプロケットのハブだけ分離する仕様の為、高速巡行用のスプロケASSYを用意しておくと、幸せになれる…かも?リア側だけ39Tくらいにしておくと、6000rpmくらいでメーター読み120巡行できそう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です